教育の環境

建築を学ぶ学生にとって、教育の環境はとても大事だと考えています。横浜国立大学建築学教室では、2008 年度に耐震改修された建築学棟を中心に、大学院設計教育スタジオ(Y-GSA パワープラントスタジオ)、建築構造実験棟、建築材料実験棟・環境実験室などがあり、学生の意欲的な学びをサポートしています。


01 | 建築学棟

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建築学棟は 2008 年度に耐震改修工事によりリニューアルしました。新たに設置した耐震壁の一部に縦格子鋼板補強工法「T-Grid」を採用したほか、南側外壁および東西外壁の一部に壁面緑化、屋上に膜屋根を導入し、大学のシンボル的建物に生まれ変わりました。また、建築学棟では、 各階の常時振動や回路ごとの電力消費をリアルタイムでモニタリングしており、建築教育の生きた教材として活用されています。

建築学棟

01 | 建築学図書室

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建築図書室では主に建築関連の書籍及び国内外の建築雑誌をおよそ 1 万 5 千冊所蔵・配架しています。その他に建築学科の卒業論文・修士論文も保管しています。それら資料の閲覧及び貸出のほか、端末による横浜国大 OPACでの資料検索、独自の建築雑誌データベースによる掲載建築作品の検索が可能です。大学院入試の過去問題も置いてあります。開室時間は月 – 金 曜日の 10 時~ 17 時です。

01 | 縦格子鋼板補強工法「T-Grid」

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建築図書室の吹き抜けには、鋼鉄製の格子に市松状鋼板パネルをとりつけた耐震壁を設置しています。ふだんは書棚として使用し、地震時には鋼板パネルがせん断耐力で地震力に抵抗します。鋼板パネルの厚さを調整することで、補強に必要な耐力と剛性を確保すると同時に、採光や通風も確保することが可能で、耐震性能とデザイン性を両立した「魅せる補強」を実現しています。

縦格子鋼板補強工法「T-Grid」
出典:大成建設技術資料

01 | 学部設計スタジオ

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建築学棟2階〜4階はそれぞれ2〜4年生の共用作業スペースとなっており、学生一人につき一つずつ製図机が与えられています。設計製図課題(「デザインスタジオ」「建築デザインスタジオ」)に伴う演習の作業場所、レクチャー、講評会会場として使用されています。毎週1度、半日をかけて、非常勤講師の建築家により課題エスキスを行っています。学生は毎週のエスキスを軸として、課題作品製作を製図室で行います。基本的に、演習時間外も自由に利用でき各自の作業に没頭することが可能で、学生生活の拠点ともなっています。製図室を訪れれば、常に誰かが作業をしていて活気がある、というのが建築学科独特の学習環境です。

学部設計スタジオ

01 | 建築学棟屋上および膜屋根

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建築学棟の屋上は、大学のキャンパス全体やみなとみらい地区、都心、丹沢、富士山などを見晴らせる場所にあり、都市と自然が隣接した横浜の環境を実感することができます。また屋上には、膜構造の技術を用いたキャノピー(庇)が設置されていて、夏には白色とUV(紫外線)カットの2種類のフッ素樹脂フィルムによる日射遮蔽効果を体感することができます。ウッドデッキの半屋外的な空間は、2008年度の改修工事にあわせて整備したもので、建築物のリニューアル方法とその効果を実践的に学ぶ教材にもなっています。

建築学棟屋上および膜屋根

02 | Y-GSAスタジオ

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博士課程前期(修士課程)プログラムにおいて設計デザインを学ぶ、建築都市スクール”Y-GSA”のスタジオです。Y-GSAでは研究室制度を撤廃し、全国初の「スタジオ教育制度」による、建築家育成のための教育を行っています。建築学棟製図室と同様に大学院生の共用作業スペースとなっています。大学内のボイラー室を改築し、創造性を刺激・拡大するオープンな空間が、スタジオ教育の開放性をも同時に表明していることが大きな特徴の一つとなっています。スタジオでは、教授、設計助手合わせ10名程度の建築家が定期的に、カリキュラムに応じた学生の演習指導(エスキス)を行うほか、外部企業との共同研究、学生による自発的な活動の拠点ともなっています。学生一人あたりの専有スペースは、学部生時代よりも広く、様々な活動形態に対応できる共同作業スペースをもつことができます。学生は毎週のエスキスを軸とし、課題作品製作をスタジオで行います。基本的には、24時間自由に使用でき、各自の作業に没頭することが可能で、学生生活の拠点ともなっています。隣接するIUIホールとの連携により、共同研究や学外での活動の発表、学外から建築や都市に関する専門家を招聘してレクチャーを行うなど、常にアクティビティにあふれた空間となっています。

03 | 材料・構法実験室

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建築材料・構法実験室は、建築材料や構法、構造に関する実験を行う施設で、主として、建築学科の演習や実験の授業、空間構造や木質構造に関する実験研究で利用されています。
写真の実験装置では、実大の木造耐力壁の水平加力試験が可能で、容量50kN、ストローク±300mmの油圧ジャッキを備えています。

材料・構法実験室
木造耐力壁の水平加力試験装置(50kN、ストローク±300mm油圧ジャッキ付属)

03 | 建築環境工学実験室

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建築環境工学実験室は、主に建築の温熱環境や光環境、音環境と人との関係性を明らかにするための評価実験を行う施設です。照明の調光調色が可能な実験室や居間を模した実験室において被験者実験を行ったり、環境材料の評価測定を行ったりしています。また、環境材料の養生や、教育・研究に用いる環境測定機器の較正等のために恒温恒湿槽が設置されています。学部の演習では、模型を用いた環境実験や、模型や機材の製作のために実験室を活用しています。

03 | Archi-Media Studio-ものづくり工房

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建築材料・環境実験棟を2015年に改装した「Archi-Media Studio」は、工房とアトリエ部分の2箇所で構成されています。
工房は1階が3Dプリンター、レーザーカッター、大型CNCルーター等の工作機器を備えた機械作業スペース、2階は共同研究スペースです。建築学科のものづくり教育だけでなく、外部企業との協同活動に必要な大型モデルの製作、学外展覧会用の展示品製作、機械工学EPのフォーミュラーカー製作、保土ヶ谷区等の地元自治体との共同プロジェクトにも活用されています。
アトリエは主に1年生の「絵画・彫塑アトリエ」演習で使用され、活動の様子が外部からもよくわかる開放的な空間です。

04 | 構造実験棟

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建築構造実験棟は、平面15m×35m、高さ10mの大型構造物の実験施設です。反力壁と反力床からなる汎用実験エリアを有するほか、各種試験機を設置しています。汎用実験エリアでは、地震力や風圧力などの外乱を想定した水平力や鉛直力を載荷することができます。学部において基礎実験により材料強度や構造物の破壊について学習したり、大学院博士課程での構造物の安全性検証や破壊メカニズム解明を目的とした研究などに活用したりしています。

入試情報